今日は、更年期障害に対する鍼治療のお話です。
更年期障害という言葉はよく耳にすると思いますが、
その中身は、ザックリ言うと
自律神経失調症とほぼ同じです。
閉経前後の時期の女性に、ホルモンバランスの変化によって、それに伴ういろいろな症状が出現するので、更年期障害と呼ばれています。
主には女性ホルモンであるエストロゲンの減少が原因になっていると言われています。
ちなみに、更年期障害は男性にもあります。
ホルモンバランスが変化すれば、似たような症状が現れる方もいます。
女性に比べれば軽度なことが多いですが。
更年期だけじゃない
ホルモンバランスの変化に体が追いつかないことが原因ですから、更年期に現れると限ったものではありません。
ずっと若い方や、お年寄りに現れることも珍しくありません。
でも、この場合は、自律神経失調症という病名がつけられるでしょうね。
中身は、あまり変わらないんですけどね。
大分、ザックリした説明になってしまいましたが、大体はこんなところです。
更年期障害に対する鍼治療の実際
さて、更年期障害を鍼で治療する場合、考え方を分けなくてはいけません。
女性ホルモン減少に対する鍼なのか、
自律神経失調に対する鍼なのか、
です。
更年期の患者さんで、更年期障害の症状を訴えている方には、どちらの施術も行うことが多いです。
辛さを緩和させつつ、原因にもアプローチしたいからです。
でも、自律神経失調症はホルモンだけが原因ではないですから、良くお話を聞いて、注意深く診せていただかないと、あまり良い効果は得られません。
たとえ更年期の方でも、女性ホルモン減少が原因とは限らないところが悩ましいのです。
ストレスや不摂生など、別の原因と思われる場合は、また別のアプローチが必要になります。
また、最近は、20代の若い方でも女性ホルモンが減少しているように見える方も増えていますね。
ですから、先入観のないように判断することを心がけています。
兪府という経穴
今回動画でお見せしているのは、
「兪府」
という経穴です。
このツボは、エストロゲンを増加させてくれます。
「照海」という足にある経穴と組み合わせて使うことが多いです。
とても使いやすいツボです。
更年期障害にはもちろん、
生理不順、生理痛、不妊症などにも良いです。
美容鍼としては、
「女子力アップのツボ」
と説明しています。
フェイシャルやデコルテのエステの後に使うと、反応がとても良いツボです。
さて、「兪府」は、確かに使いやすいツボですが、
ここに鍼をすればジャンジャン女性ホルモンが出るのか、
というと、そんなに単純ではありません。
そうだと楽でいいんですけどね(笑)
どの経穴にもいえる事ですが、個人差が大きいですし適性も違います。
個人個人に合わせたバランスをとってから、はじめて「兪府」の効果が得られるのです。
実は、そこが一番難しいところで、鍼灸師の腕の見せ所でもあるのです。