閻三針って何?
20年以上前の話ですが、私がまだ20歳代の若い頃、「閻三針(エンサンシン)」 という鍼治療が注目された事がありました。
脱毛症に特異的に効果のある頭部のツボを使う、独特の刺針法です。
北京の中医師、閻世燮(エンスーシェ)が発見し、提唱している鍼治療で、特に円形脱毛症の有効率は80%ともいわれました。
円形脱毛症だけでなく、男性性の脱毛や女性の薄毛など全般に効果アリということで、結構話題になったのを覚えています。
頭頂部にある 「防老」、 頚部の両側の 「健脳」 を2穴取って、この3点で治療するのが基本となることから 「閻三針」 と呼ばれています。
この「防老」、「健脳」という経穴は閻先生が発見した独自の経穴です。
当時、中国に研修に行く先生方もいましたし、閻先生も来日して治療法の指導をしたりしていました。
テレビ出演もしていましたね。
現在、現役なのか、ご存命なのかはわかりません。
ご存知の方は教えてください。
閻三針の難しさ
私は、残念ながら直接教わることは出来なかったのですが、指導を受けたという鍼灸師にツボを教わったり、身内や友人の体を借りてやってみたりしていました。
ところが、当時の私の力量では全然効果を出すことができませんでした。
伝え聞いたところによると、
「閻先生の鍼だけが特別に良く効くのだ。」
「閻氏の直弟子が治療してもあまり効かないらしい。」
などという話もあって、諦めてしまっていました。
ある治療法を実践する上で、元祖の御大が行う治療だけが特別によく効く、という話は珍しくありません。
教わるだけでは、その真髄に触れるには足りない、ということでしょう。
再現性に乏しい、とも言えます。
このことは、東洋医学が認められにくい原因にもなっていますし、だからこそ面白いところだとも思います。
当時の私は、まだ経験も浅く、閻三針は難しい治療だと思い込んでいました。
閻三針を実践してみる
最近、思うところがあって、この閻三針を再びやってみています。
昔の資料なども紐解きながら研究中です。
調べてみると、当時は知らなかった 「生髪」 という経穴もあるようです。
それに、「閻三針」にはいろいろバリエーションがあるようで、患者さんの状態によってその都度変わるようです。
考えてみれば当然のことで、決まった場所に鍼をすれば誰でも生えてくるなら苦労はありません。
この見極めが肝なのは間違いないでしょう。
そういえば、テレビで見た時も閻先生は頭頂部に3本打ってました。
これもバリエーションの1つですね。
私の周りには、私を含めて髪の毛に問題のある人が多いので、検体には事欠きません。
でも患者さんに施術できるようになるにはもう少しかかりそうです。
この件は面白いので、また詳しい記事を書きたいと思います。
経穴や経絡の詳しいことはまた今度、ということで。
あ、もし、「自分の頭を使ってくれ。」 という方がいましたらご連絡くださいませ。。。